黄昏フランソワ

甘いものとかわいいものと懐かしいものが好き

少し前になりますが、松竹座でAnotherを観劇しました。

コロナの影響で中止になった2020年の春、夏を経てやっと幕が開いた松竹座の関西Jr公演。個人的には2019年の夏以来松竹座からは遠ざかっていたので目の前までやってきた時の感慨深さったらなかったです(なんならなんば駅あたりでもうワクワクしてた笑

 

松竹座を昼夜で観劇する際は昼と夜の間に目の前のレッドでお茶するのが楽しみで、松竹座へ行くこと=レッドへ行くことが自分の中でいつのまにか決まりごとになっていました。

そんなレッドが閉業したとの情報をSNSで見かけたときは本当に胸がザワザワして、早く行って自分の目で確かめたいけど現実を見るのも怖くて、松竹座へ行く日までなんだか落ち着かなかった。

昼公演が終わって夜公演までの間、周辺を散策しつつレッドを気にしながら過ごしましたが、お店が開くことはありませんでした。2階へ続く階段はシャッターで閉ざされていてアニメのキャラクターのイラストが描いてあり、それがよけい悲しかった。

SNSの情報にはおばちゃんが高齢の為とありました。これが去年8月の情報で、SNSを遡るとその年の2月にはまだ営業していたとのこと。その年の春の松竹座が中止にならなければきっとレッドに足を運んでいたので本当に悔しい…たらればを言ったところできりがないのですが。

茶店ブームはまだまだ続き、ツイッターハッシュタグをのぞけばお店の閉業情報を載せてくれる親切な方がたくさんいる。そうやって情報を得て、みんなが最後に是非、とお店へ足を運ぶ。だけどレッドの閉業をSNSに書いていた方は1人の方のみで、それは特にハッシュタグに載せられることなく、どちらかというと身内へ向けての発信のようでした。

それ以前に、毎日大勢の人が行き交う道頓堀の中心にあるお店が、いつのまにかひっそりと閉業していきそれを知らずに何か月も過ごしていたのが本当に悲しくて…松竹座へ行く予定が決まった時はおろかにもレッドも行ける!と喜んでいました。

ここへ長年通われている方はおそらくSNSを使わない方が多いのだろうということはわかっているのですが、閉業を悲しむ声を見つけられないことも悲しくて。なにもかもが私のエゴなんですけどね。

 

お店に入ったら大抵右奥のちょっと薄暗い席で、買った写真やらグッズやらを並べてしあわせに浸ったり、誰もいないときは窓際の席に座らせてもらって松竹座を眺めたり。「デビューするかねー?」「どうですかねー。してほしいですけどね」なんて会話もしました。

同じお芝居を観たであろう人たちの感想が聞こえてくるのもしあわせでした。おばちゃん、お疲れ様でした。

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冷たい飲み物を頼むとシロップがボトルでドン!と置かれるのも好きです。寒い日はホットココアで。

 

周りを見渡してみると本当にここだけ時が止まったような、異国情緒ある建物なんですよねー。調べたらコロンバージュ様式というそうです。以前地元にあったパン屋さんがこれと同じ様式のものだなあとレッドを眺めている時にふと思い出したのでその話もいつか。

この建物もいつか老朽化で解体されないか心配だけど、1階ではアンドリューのエッグタルトが常に行列してるからまだしばらくは大丈夫かな。というか、ここの2階でどなたか喫茶店を開いていただけませんかね…?